【テクナ】
高周波熱プラズマシステムと先端ナノ材料
プラズマ法による球状金属粒子、ナノ粒子、窒化ホウ素ナノチューブへの期待

2017.1.19

テクナの歴史は1990年、カナダのケベック州で始まった。当時の高周波熱プラズマ装置の石英ガラス製トーチは壊れやすく、装置の安定運転には多々の問題があった。これを解決したのがテクナの創業者である。高温のプラズマを閉じ込める石英管を特殊なセラミックス製に置き換えることに成功したのだ。これにより高周波熱プラズマ装置の安定運転が可能となり、10,000K以上の熱プラズマを利用した先端材料の合成研究も大いに進むこととなった。熱プラズマには種々の活用法が考えられ、それを利用した先端材料を提供することはテクナの得意とするところであり、nano tech 2017では熱プラズマを利用した先端材料が紹介される。

(1)3Dプリンタ用球状金属粒子

図1:各種製法のTi粉体原料からTi球状粒子への変換

図2:3Dプリンタ用Ti粒子(Ti64とCp-Ti)

原料粉体を熱プラズマで、溶融状態を経て再粒子化させると、粒子の形状が整い粉体の流動性が向上したり、嵩密度が上昇するなどの効果が得られる。製法の異なるTiの原料粉末でも熱プラスマで処理することにより、球状に変換され、多孔質や不定形の原料から図1のような100 µm程度の完全に球状な粒子になる。テクナでは3Dプリンタ用Ti系材料の開発に力を入れ、各種のTi球状ミクロン粒子が作られている。図2は粉砕法原料から作ったTi64粒子と、化学還元法原料から作ったCp-Ti粒子の例である。今回の出展はTi粒子の紹介が主となるが、他にも3Dプリンタ用にMo、Ta、W、WC粒子の対応も可能であるという。

(2)プラズマ法ナノ粒子

図3:Cuナノ粒子 図4:Siナノ粒子

プラズマの熱で一旦蒸発させてクエンチすることで、ナノサイズの粒子を作ることもできる。テクナでは図3や図4のような粒子径100 nm以下のCu、Si、Niなどの高純度ナノ粒子を提供している。Cuナノ粒子はプリンテッドエレクトロニク用導電性インキ、Niナノ粒子は積層コンデンサー電極、Siナノ粒子はLiイオン二次電池電極などへの応用が期待されている。

(3)窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)

図5:BNNT

今回新たに興味ある材料として紹介されるのが、図5のBNNT(窒化ホウ素ナノチューブ)である。BNNTは機械的強度がCNT(カーボンナノチューブ)と同等で、電気的には絶縁性、高温の酸化性雰囲気に耐える、無色透明というCNTには無い特徴を持つ材料として従来から知られていた。しかし、これまでは高価で、純度も低かったため応用研究は進んでいなかった。テクナでは高周波熱プラズマを利用した高純度BNNTの合成に成功し、量産の目途を付けることができた。同社はこの材料を改めて世に送り、長い目で育てて行きたいとしている。

(4)高周波熱プラズマ装置

図6:高周波熱プラスマ発生部

図7:熱プラズマ 図8:ラボ機(15kW)

テクナは自社で材料開発を行いたいユーザー向けに、高周波熱プラズマ装置のシステムを提供する装置メーカーでもある。

テクナは自社で材料開発を行いたいユーザー向けに、高周波熱プラズマ装置のシステムを提供する装置メーカーでもある。  プラズマは正の電荷を帯びた粒子と、電子とがほぼ同じ密度で存在し電気的に中性を保っている状態である。気体にエネルギーを加えて分子を原子に解離し、原子をさらにイオンと電子に電離することで作られる。プラズマには低圧下でのグロー放電のような低温プラズマと、大気圧付近の圧力で発生する熱プラズマとがある。低温プラズマは電子の温度は高いが、イオンや原子の温度は低く非平衡状態にある。一方、熱プラズマは大気圧付近の圧力で発生するプラズマであり、電子もイオンや原子も10,000Kを超える高温状態で、ほぼ平衡状態にある。熱プラズマの発生手法には、直流電流のアーク放電を利用する「直流プラズマトーチ」と、交流電流の誘導加熱を利用する「誘導結合型熱プラズマトーチ」とがある。前者には放電させるための電極を必要とするが、後者は数MHzの高周波を用いる誘導加熱を行うので、電極は不要である。トーチの外周に誘導コイルを設置し、高周波電流によって生じる磁場によりプラズマを誘導的に発生させる構造である。電極が存在しないため電極からの汚染がなく、純度の高い製品が得られる。
 図6はテクナの高周波熱プラスマ発生部である。内部にセラミックス製の "プラズマ閉じ込め管" があり、テクナの特許となっている。上部から送入された原料はプラズマと接して瞬間的に加熱処理され、装置下部に設置される冷却部でクエンチされて排出される。図7は熱プラズマの状態である。高周波熱プラズマ装置は、プラズマ溶射装置としても高純度溶射ができるという特徴を持ち、これを活かしてスパッター用ターゲットの作製も行われる。  テクナは15kWのラボ機(図8)から200kWの製造機まで対応できる実績を持っている。  ここで紹介した技術の詳細は、是非、展示場ブースやセミナーでご確認いただきたい。

(註)図は全てEFDインダクション提供

小間番号:6B-08
セミナー:2月16日(木) (B会場)15:05-15:50

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