【GSIクレオス】
「カップ積層型カーボンナノチューブとその応用製品」 - 特異な形状・特性が生み出す豊富な応用技術と新製品群 -

2017.1.31

GSIクレオスは、特異な形状・特性を持つカップ積層型カーボンナノチューブの製造・加工技術を開発し、その応用製品開発を多くのユーザ企業と協業して行っている。ブースではその成果を展示し、製品開発のアイディアまたは研究開発上の課題をお持ちのお客様に見て頂き、新たな展開の端緒になる情報交換を期待している。以下、代表的な展示品を紹介する。中でも燃料電池・電気自動車関係の方々には、“CSCNT 燃料電池用電極触媒”をご覧いただきたい。

1.カップ積層型カーボンナノチューブ(Cup Stacked Carbon Nanotubes(CSCNT)、商品名:カルベール®):豊富な応用技術を生み出す特異な形状

カルベール®は、金属微粒子を触媒として浮遊CVD法によって得られる高純度のカーボンナノチューブで、通常のカーボンナノチューブと同様高い直線性を有するファイバー状(図1(a))であるが、中空構造の炭素網が底の空いたカップ様の形状をしておりそれが積層している(図1(b)、模式図)。図1(c)はその電子顕微鏡写真であり、赤で示した曲線と同様の線が数多く認められる。これらがカップの上端(炭素網端)である。この化学的に活性のある炭素網端は、樹脂と強く結合することができ、その結果分散が容易となり、以下に紹介する多くの応用製品を生み出す源泉になっている。

図1 カップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)

2.CSCNT充填塗料『商品名:ナノテクト®』:耐食性等を大幅に増大する最強の塗膜

ナノテクト®は、カルベール®を樹脂に分散させて塗料にしたものである。カルベール®表面に露出している炭素網端(のダングリングボンド)に樹脂が強く結合し、これにカルベール®の持つユニークな特性が加わり、耐食性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐折曲性、硬度、潤滑性等を著しく向上させる。ナノテクト®は高分子系最強の表面処理剤と言える。本塗膜は、本来相反する硬度と延性を併せ持っており、ボルト締め付けのトルクによる静的荷重やハンマー等の過度な衝撃に対しても優れた耐久性を発揮する。塩分を含んだ砂嵐に見舞われる腐食環境の厳しい中東沿岸地域の石油掘削プラントをはじめ、海洋潜水艇等の部品塗装に適用され(図2)、洋上風力の表面等にも展開している。塗装品は、従来締結品では腐食により数年内に交換する必要があったのに対し、10年単位で延ばせる可能性を有する。また通常の炭素鋼に塗布することで、高クロム、高ニッケル等の耐食特殊鋼に匹敵する耐食性能を発揮するポテンシャルも有する。

図2:様々なところで活躍するCSCNT充填塗料“ナノテクト®”

3.CSCNT 強化プリプレグ & 樹脂フィルム : CFRPの層間剥離強度を向上

CSCNT強化プリプレグは、プリプレグのマトリックス樹脂内にカルベール®を高分散させたもので、これによりマトリックス樹脂の強度が向上する(図3)。CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)での試験では圧縮強度が33%、曲げ強度が18%向上した実験データを得ている。これを用いた自転車のフレームやテニスラケット、ゴルフシャフトを展示する。これ等はトップクラスの選手が愛用している。
 またカルベール®を充填した樹脂フィルムを、既存のプリプレグの層間に挟み込み溶融加熱する事でカルベール®がプリプレグ内に含浸(浸透・分散)し、従来のCFRPの弱点である層間剥離強度を20%向上している(図4)。これを用いた釣竿やホイールキャップを展示する。

図3:CFRPの強度向上

図4:CFRPの層間剥離強度の向上

4.CSCNT 燃料電池用電極触媒: Pt(白金)の使用量を劇的に低減、かつ発電効率を向上

カルベール®の表面に露出している炭素網端に触媒であるPtを還元析出したものである(図5(a))。従来のCB(カーボンブラック)担体では、細孔にPtが入り込み、Ptの利用効率を低下させる。カルベール®の場合、そのような細孔がないため、Ptの利用効率はほぼ100%である。これにより、従来のCB担体に比べPt使用量を劇的に低減でき、燃料電池のコストダウンに大きく貢献する。また、カルベール®は繊維状でることから、燃料電池で最も重要な電気化学反応進行場である気相・液相・固相が共存する三相界面が形成され易く、発電効率の大幅な向上が可能となる(図5(b))。

図5:カルベール®表面にPtを担持した燃料電池用電極と電池特性

なお、NEDOブースでも、市場実績を持つ製品を展示している。ナノテクト®を用いた高耐食性のボルト・ナット、カルベール®を含浸させたプリプレグを用いた軽量な自転車、カルベール®を熱可塑性樹脂に含浸させた振動板を用いた原音を忠実に再現するスピーカ等である。

より詳しいことは、ブースにて展示品を前に質問して頂き、意見交換や情報交
換を通して、新たな応用展開が生まれることを期待する。


(註)図は全てGSIクレオス提供

 

小間番号:4B-22

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