Nano Insight Japan

【日立化成】
伸縮と曲面への追従が可能な「銅箔付き伸縮基材」 -市場で鍛えた技術・ノウハウに新しいアイディアを加えた新素材群を展示-

2018年2月5日

NEC

 

日立化成は、新しい機能材料及びそれらを活用する先端部品・システムを提案し、ユーザと連携・協業することにより実用化を推進している。nano tech 2018には、アイディアや課題をお持ちの来場者との繋がりを求めて、特徴のある以下の素材を展示する。

①「潜熱蓄熱シート」:相変化以上の温度でも流動することなく形状を維持する蓄熱材料。電子部品の過昇温を抑制。フレキシブルであり配管等の曲面に巻きつけも可能。

②「三次元成型回路部品用Cuペースト」:三次元配線が可能。Agペースト代替。

③「銅箔付き伸縮基材」:伸縮配線材料。従来のポリイミド樹脂基材に比べ伸縮性と柔軟性に優れ、低誘電率、高耐熱性、高耐薬品性などの特長を持つ。繰返しの伸縮や巻き付けなど、形状自在の配線材料。

④「焼結Cu接合ペースト」:無加圧(225 ℃以上、水素中)で焼結・接合ができる。空孔の少ないCuの焼結体となり熱伝導性に優れる。環境負荷物質を含まない。

⑤「塗布型断熱材」:無機/有機のハイブリッド材。ミクロンメーターレベルの多孔質にすることによって断熱性を持たせる。塗布による断熱層形成が可能。

⑥「刺激応答性樹脂」:刺激を与えると水素結合が切れて柔らかくなる材料。連続的に衝撃を与えると樹脂材料の柔らかさが変化し、衝撃吸収材として使用可能。

これらの内の幾つかは、デモンストレーションを交えて機能・効果を解説する。是非、ブースにおいで頂き、情報交換し新しい連携の端緒づくりになることを願う。上記の内の「銅箔付き伸縮基材」を以下に紹介する。これは、「柔らかくて伸縮できる基板材料でかつ樹脂基材が伸びた時でも抵抗値が安定した配線を実現できないだろうか」との問いに応えたものである。

銅箔付き伸縮基材
~曲面・立体への追従も実現した“柔らかくて伸びる”次世代のフレキシブル基板~

図1: ウェアラブルデバイス、ストレッチャブルデバイスのイメージ

IoT(Internet of Things)の進展に伴い、ウェアラブルデバイス、ストレッチャブルデバイスが求められている(図1)。これらのデバイスを実現するために、基材には以下の三つのことが要求される。

①ウェアラブル、ストレッチャブルであるために伸縮性を持つこと。

②部品実装のため、Pbフリーはんだのリフロー温度(260 ℃)に耐えること。

③表面に密着性のよい配線を形成でき、かつその配線の電気抵抗が基板の伸縮によって変化しないこと。

これ等を達成するため、日立化成は、伸縮により抵抗値が変化する従来の導電性ペースト配線に代えて銅箔配線を採用し、さらに社内の以下の技術・ノウハウを活用した:(a)伸縮性を損なわず樹脂基材の耐熱性を向上させる手法には、半導体チップ用のダイボンディングフィルムやダイシングテープ、封止成形用フィルムなどのノウハウと材料設計技術、(b)基材の伸縮を繰り返しても樹脂と銅箔との密着性を確保し信頼性を向上させる手法には、銅張積層板の開発・商品化で築いた技術・ノウハウ、(c)普通であれば伸縮しない金属箔導体を基材の伸縮に追従させる手法には、新たな工夫と回路設計技術。

その結果、①伸縮時の抵抗値変化を5%以下、②且つ弾性率5MPaの柔軟性、③Pbフリーはんだで260 ℃リフローが可能な耐熱性を持つ以下のような特徴を持つ“銅箔付き伸縮基材”を実現した。その主要な特徴を以下に紹介する。

 

1)従来の配線形成加工技術に対応(図2)

フレキシブルプリント基板同様、フォトリソグラフィ法で伸縮配線の形成が可能である。

図2: 材料構成(上左:両面銅箔品の断面、上右:片面銅箔品の製品外観)と配線パタ ーニングプロセス(下:片面銅箔品)

2)配線形成が難しかった曲面や立体面への配線を実現

図3 成形品に基板を沿わせた場合の断面図

実装済みの基板を曲面や立体面へ追従し貼りつけて使えるため、デバイス設計自由度向上とスペースの有効活用に貢献できる(図3)。従来のポリイミド樹脂基材と比べ伸縮樹脂の弾性率は5MPaと低く、伸縮性にも優れているため、追従性に優れた配線を形成することができる。

3)繰り返し伸縮しても配線が基材から剥がれず、抵抗変化が少ない

図4: 成形品に基板を沿わせた場合の断面図(イメージ)

伸縮樹脂は銅箔との密着性が高いため、配線パターンが耐え得る範囲内で繰り返し伸縮させても、配線は剥離しない(図4)。また、伸長時や伸長後に抵抗値が大幅に変化することはない。

自動車、ウェアラブルデバイス、センサー等への応用が考えられるが、ブースにて展示品を前に議論して頂きたい。意見交換や情報交換を通して、新たな応用展開が生まれることを期待する。

(註)図は全て日立化成提供

小間番号:4E-15

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